建設業は「最大のものづくり」
設計したことを誇れる建築物を創造していく
2005年4月 入社
工学部 建設学科 卒
建築には「意匠」「構造」「設備」の3つの分野があり、私が担当しているのは「意匠(=建築計画・デザイン)」です。具体的にはお客様と打ち合わせをし、図面を作成していく建築設計業務、工事中に建物が図面通りに建てられているかを確認する工事監理業務があり、2~4件ほど同時に設計・監理をしています。
理系の知識とものづくりへの興味を活かせる分野を考え、高校時代から建築の分野を志していました。総合建設会社(ゼネコン)を志望した動機は、建築設計をやりたいと思った時にどうやって建物を建てるかを知らずに設計はできないと考え、工事現場での経験を積める施工・設計両方の部門を持つ会社に魅力を感じたからです。本間組は新潟への貢献意識の高さが好印象でした。地域に根ざすことは、建設業には不可欠なことです。大学時代は就職活動が厳しい時期で、一時は住宅メーカーも検討したことがありましたが、住宅に特化するのではなく建築に広く関わりたいと改めて強く思い、軌道修正しました。初志貫徹して良かったなと思います。
設計施工案件の設計・工事監理として、お客様と打ち合わせを重ね設計図を完成させます。主なお客様は民間企業の役員の方や施設担当の方になります。そして工事の段階で図面通りに建てられているかを工事現場で確認します。建てる際には審査機関に建築確認を申請したり、様々な法律・条例を遵守したりしなければならないので、各役所と打ち合わせや協議を行うことも多いです。ツールとしては主にメールを活用しています。移動中・出張中も使えますし、打ち合わせの結果や図面・資料の共有など同時に複数人に連絡をするケースが多いので、大体1日に約30〜40件のやりとりを行っています。
すべての仕事に対して真剣に取り組んでいますが、時には失敗することもあります。そんな時は誠意をもって対応することが大切です。
お客様には求められている要望にプラスアルファのご提案をすることを心掛けて、日々の業務に励んでいます。
プロジェクトに関わる人をまとめる力が最も要求されていると実感しています。設計業務を行う上でもちろん設計能力や法令知識も必要ですが、これは学べば身につきます。しかし社内では営業・設計・積算・工事部門が、社外ではお客様をはじめ各種の協力業者の方が関わるので、それぞれの意見、要望、アドバイスをいただき、調整しまとめる能力が求められます。学んだことと経験をもとに、臨機応変に的確な判断を下し、指示を出していくことが常に必要とされます。
本間組の設計担当者は、最初の設計段階から最後の竣工引き渡しまで一貫して関われるところが特徴です。その経過の中で「設計競争案件で勝ち、仕事を獲得できた時」と「建物が完成した時」にやりがいを感じます。
特に完成した時に感じるやりがいには3つの段階があり、まず足場やシートがなくなり建物の全貌が見えた時で、図面や完成予想図で思い描いていた建物が現実のものになると感動します。そして次に、お客様への引き渡しです。喜んでいただけると嬉しいですし、その後のモチベーションにもつながります。最後には実際に建物を使っていただいているシーンを見る時です。建物は使われてはじめて完成するものなので、例えば店舗だと多くの人で賑わっていると役割を果たせたと安心します。そしてのちに「リピートしていただけるお客様に指名される時」が設計冥利に尽きます。
ゴミ処理施設を担当した際は、社内にゴミ処理場のような建築設計を手がけた者がおらず、建築部門初のDBO事業方式(PFI事業者に設計・建設・運営を一括して委ね、施設の所有・資金は公共側)ということもあり、手探り状態でかなり苦労したので忘れられない案件の一つです。その時は、設計においても工事監理においても多くの困難に直面しましたが、お客様をはじめとしたたくさんの人と協力し完成させることができました。困難をみんなで乗り越えて完成したという大きな達成感と言葉にできないほどの喜びを得ることができました。
技術面では、建築を3次元モデルで設計するソフト「BIM(ビルディングインフォメーションモデル)」による設計に挑戦しています。まだ二次元CADが主流でBIM自体が発展途上のソフトですが、意思伝達が容易になり、図面精度がアップするので、併用しながらいずれはBIM一本で設計できるようになることを目指しています。
設計や工事には実際、法令やコストなどの現実的な問題があり、理想をそのまま形にすることは困難がつきものです。しかし私はお客様と理想を共有し、一緒に建物のあり方を考えていきたい、そして理想に近づけて多くの人に感動を与え、自分が設計したことに誇りを持てる建築物を建てていきたいと考えています。
私は、建設業は「最大のものづくり」だと考えています。規模はもちろん、完成という一つの目標に向かってお客様・社内・社外の人が関わり、全員で建てるという醍醐味を味わえる仕事です。そのなかでも本間組は設計段階から竣工まで一貫してプロジェクトに関われる企業なので、設計志望の方には責任も達成感も感じられる企業にあたるのではないでしょうか。学生のうちは仕事に役立てる知識よりも大学で学べることを、広い視野を持ってたくさん吸収し、自分だけの感性を育んでください。それこそが仕事で活かせるスキルにつながります。
現在は一人暮らしですが時折実家に帰り、愛犬の相手をして過ごしています。