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新たな学びと交流の場を~新潟第一中学・高等学校建替工事~

約1,300名の生徒が通う新潟第一中学・高等学校で、既存の校舎を使用しながら建替を行うという特殊な工事がスタートしたのは、2018年(平成30年)7月。

開校40年を経た施設の老朽化に伴う校舎・体育館の新築、および教育環境設備の改善を目的とした大プロジェクト。

2022年(令和4年)3月の竣工に向け、本間作業所長以下10名の社員が挑むものとは?

既存校舎を使用しながら建替える特殊な工事

新潟第一中学・高等学校を運営する学校法人 石善学園は、本間組創業者の本間石太郎によって「教育による人づくり」という信念のもと昭和52年に創設された。1978年(昭和53年)には新潟第一高等学校を、1986年(昭和61年)には新潟第一中学校を開校し、新潟県初の中高一貫教育を実現。

開校から40年が経った2018年(平成30年)夏、老朽化した校舎の建替工事を開始。それは、仮校舎を建ててから工事を行う一般的な方法ではなく、既存校舎を使用しながら建替を行うという工事。「まず1期工事として、既存校舎の一部と第二体育館を解体し、7階建ての新校舎を建築。その供用後に、もう1棟の既存校舎と第一体育館を解体し、新校舎と新体育館を建築するという2期工事を行います。つまり、解体・新築・引っ越しを2回に分けて行うのです。この方法には、学校運営を継続しながら建替工事が可能となるというメリットがあります」と、本間作業所長。

また、この工事ではBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を採用。設計図を3D化して立体モデルとして説明できるので、学校関係者にもわかりやすく、様々な要望や意見を取り入れることにつながっている。

現代にふさわしい 進化した学校設備を採用

コンクリート打放し仕上げの外観は新校舎の特徴のひとつ。この近代的なデザインを実現するために、外壁を担当する石沢たちの技術とこだわりが込められている。コンクリートはもともと色が均一ではないので一様に見せるのは難しいが、今回は全体を白系クリア塗装で仕上げるため、光の加減でよりムラが目立ちやすくなり、その分難易度が上がった。「さらに、ぼかしなどの技術も必要になり、施工前に塗装見本を作成し、設計者と確認しながら何度も手直しを行い、完璧な出来栄えを目指しました」と石沢。

こだわりの意匠は内部にもある。普通教室の廊下側は上部をガラスにして、座っている生徒からは廊下が見えにくく、廊下側からは教室の様子が見えやすいように設計されている。また、教室内の黒板は、デジタル対応を考え、映像画面が映えやすい青色とし、教室にはプロジェクターや電子黒板を設置している。また、理科や社会科などの特別教室では、各教科の先生と打合せし、使い勝手を伺いながら設計の調整も行った。

新築した中央棟では、6階・7階を吹き抜けにした大空間に、講堂と小体育館を兼ねて多目的に使えるよう、新潟県内の私立高校として初めて自動的に格納できるロールバックチェア450席を備えた。球技も行われることから、窓ガラスの破損防止と換気機能を併せ持つ格子戸を設置し、素材には壁の仕上げ材との相性も良いサクラの木を採用。優しさのある木目が上品さを漂わせる空間になっている。

竣工まで「安全第一」の姿勢で

既存校舎を使用しながらの建替工事にはメリットがある反面、解体・建築を同時進行するため、出入りする関係者も多く、また、学校関係者の皆さんと現場が非常に近接した状態となる。現場では、安全管理をはじめ、騒音や振動、臭気対策など数々の課題が存在し、特に動線や安全区域の確保には十分な対策が必要となった。

また、全行程が約4年にも及ぶ大変長い工事となるため、職員全員には無事故・無災害へのより一層高い意識と行動が求められる。

安全管理を担当する茨木副所長は、「試験など全ての学校行事を事前に把握し、大型工事車両の搬入や生コン打設などの騒音、振動の影響が生徒の皆さんに及ばないよう、工程を組み立てています。教育環境を最優先に考え、工程管理や調整を行っています」と、きめ細やかな対応を徹底している。

入社後すぐにこの現場に関わった小林は「わからないことはすぐに上司や先輩、協力業者の方々に聞くようにしました。所長を始め、みなさんが気軽に話しかけてくださるので、こちらから話もしやすく風通しがいい環境で、自分にとって学びの場になりました」と2年間を振り返る。

新型コロナウイルスの感染拡大というこれまでにない状況も発生した。現場では多くの作業員が出入りし、生徒の皆さんや学校関係者の方との距離も近いため、一人ひとりが感染予防の意識を高く持ち、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、事務所・会議室・休憩室の適宜な換気、アルコール消毒液の設置、感染症対策のポスター掲示等、工夫しながら数々の対策を行っている。

新しい学び舎は生徒の成長の場に

4年に及ぶ工事は、今、折り返し地点を迎えたところである。協力業者の調整を担当する栗津は「目指すのは、何よりも安全第一で竣工を迎えること」と、気を引き締めながら、今後を見据える。「もっと多くのことを吸収したい」と抱負を語るのは、安全書類の確認を担当する石黒。

これから着手する2期工事では、既存校舎と第一体育館を解体するが、この解体工事は1期工事以上に大規模であり、近隣住宅や道路により近いエリアで行われるため、今後も関係者との綿密な計画と実行が求められる。
1期工事では重機の騒音対応のために、茨木副所長は工事予定の事前アナウンスに注力した。「近隣説明会はもちろん、騒音が予想される工事前には『遅くまで電気が付いています』『機械の音がします』などを事前にお知らせしました」。引き続き2期工事でも近隣の方々へ丁寧にお伝えすることを努めていきたいと語る。

2022年(令和4年)3月の竣工に向けて、現場は動き続けている。本間作業所長を始め所員たちは、「竣工までまだ時間がありますが、校舎の完成をこの目で見ることができる日が今から待ち遠しいです。生徒の皆さんには、新しい学び舎で伸び伸びと成長してもらいたいと思っています」と口を揃える。

本工事について

工事名 新潟第一中学・高等学校建替工事
施工地 新潟市中央区関新3丁目3番1号
工期 2018年7月7日~2022年3月31日
面積 敷地:25,069平方メートル
建築:6,315平方メートル
延床:19,111平方メートル
構造 RC造(一部S造、SRC造)
地上:7階建て(中央棟)、3階建て(南棟)、2階建て(大体育館)
軒高:28.650m(中央棟)、11.450m(南棟)、8.505m(大体育館)
最高高さ:31.315m(中央棟)、13.775m(南棟)、14.350m(大体育館)
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