高速道路補修を通して、
街の流通を支える
~関越自動車道 湯沢管内コンクリート構造物補修工事~
陸上土木事業
関越自動車道 湯沢管内
プロジェクトの概要
東京都練馬区と新潟県長岡市を結ぶ高速道路、「関越自動車道」。このうち、群馬県の水上インターチェンジと新潟県小千谷市の小千谷インターチェンジ間の、コンクリート構造物(トンネルと橋梁)の補修工事を本間組が担当しています。補修箇所は約20カ所にもおよび、工事は2026年4月まで続く予定です。当区間のコンクリート構造物は、経年劣化に加え、冬季の道路凍結防止剤として散布される塩化ナトリウムによる塩害(塩化物がコンクリートに浸透することによっておこる劣化)の影響もあり、劣化が進んでいます。補修工事は、これらの劣化を食い止め、高速道路の安全性を保つための重要な工事です。
プロジェクトメンバー
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Aさん 土木事業本部 土木部 工事課
2009年 新卒入社下水処理場施設の築造、橋梁下部工事等の主に陸上での土木工事を経験。趣味は気に入ったものを収集すること。最近はポケモンカード収集がマイブーム。
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Bさん 土木事業本部 土木部 工事課
2014年 新卒入社高速道路や新幹線といった橋梁の新設、大規模更新工事といった陸上工事を主に担当。新潟県外への配属が多く、休日は各地の食や観光地を堪能している。
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Cさん 土木事業本部 土木部 工事課
2021年 新卒入社新潟県内で工業用地造成や、川底に溜まった土砂の処分場遮水工事、河川の護岸築造工事を経験。現在は高速道路の構造物築造工事に従事。休日は友人とライブ参戦で全国を飛び回る。
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Dさん 土木事業本部 土木部 工事課
2021年 新卒入社入社以降、陸上工事3現場、海上工事3現場の計6現場を担当。趣味はDJ。スクラッチが上手く行ったときは、最高にテンションが上がる。
提示された図面通り・予定通りにいかない仕事
Aさん
- 工事の契約期間は約3年。その間、冬季は悪天候のため工事中止。春・夏・秋の3シーズンで、約20カ所全ての補修を完了させなくてはならないため、「いかに効率的に進めるか」が肝になります。また、施工現場が点在しているため、人員の割り振りにも苦慮しつつ、年度ごとに施工計画書を作り、発注者に提示し、許可を受けた上で工事を進めています。ただし、全ての箇所において「すんなりと工事開始」とはいかないので、この時間も考慮して計画を立てる必要があります。
Bさん
- 補修工事が必要な箇所と補修内容は、予め発注者から提示されているのですが、この内容がすでに3~4年前のデータに基づくものなので、すでにこの時点で3~4年分の劣化が進んでいるのです。まずここが補修工事の厄介なところで、想定していた内容・予定通りに進まないことがほとんどです。もちろん図面も更新していくため、工事着工前に当社で再度点検・調査をして、発注者側へ報告を上げて判断していただき、補修内容の変更・確定、そしてようやく工事開始となります。とにかく、すぐに工事に取り掛かれない。工事着工までが、初めの大仕事なのです。
さまざまな制約の中で、業務を遂行するプレッシャー
Aさん
- さまざまな制約の中で、決められた時間内に、完璧に工事を遂行させなければいけないプレッシャーも大きいです。高速道路に関する工事を行っているのは当社だけではないため、他の工事の予定も把握しながら計画を立てる必要がありますし、ゴールデンウイークやお盆期間中など、道路規制をかけられない期間もあります。工法も「ウォータージェット工法」という、高圧の水の力でコンクリートを削り取る工法で進めるため、一般道に接する橋脚を補修する場合は、付近を通行する車に水や破片が飛び散ってしまうことを防ぐために、立ち入り禁止措置を取るなど、安全面に注意しなければなりません。
Dさん
- 今回の現場では、Bさんにご指導いただきながら、協力業者の配置や工程(月間工程と週間工程)を組み立てる業務を入社後初めて担当しています。私にとっても、高速道路ならではの「道路規制」という時間的な制約のプレッシャーが大きく、「どうやったら工程通り進められるか?」「どうやったら協力業者の方々がスムーズに作業できるか?」等、頭を悩ませています。今まで経験してきた業務には、高速道路における工事特有の制約はなかったので、今回この部分を任せていただいたことで、自分でよく考えるようになり、大変勉強になっています。
補修工事における施工管理者の腕の見せ所
Aさん
- 補修工事ほど、現場を見る力が求められる現場はないと思います。予定していた図面通りに進まないことがほとんどなので、現場を見て、適切な補修範囲と補修内容を勘案する必要があります。現場に行く前に、作業箇所の図面を完全に理解した上で、現場の状態をチェックします。補修方法に変更が必要だと判断した場合は、それに対応する適切な補修工事内容を考え提示できることが、我々の仕事であり、補修工事における施工管理者の腕の見せ所だと思っています。
Bさん
- 補修工事は、新設工事よりも難しい仕事だと感じています。なぜなら、既存の構造物の中の構造が分からない状態で工事をしなくてはならないから。この場合、新設工事の経験が活きてきます。「似たようなものをつくった時、構造はああなっていたな」という記憶・経験があれば、それを応用して、目の前の構造物の中を想像することができます。そういう意味で、補修工事は新設工事よりも、過去の業務経験が活かせる場だと思います。また、図面と現場の状況が違うことが多々あるので、必然的に報告することが増え、人に分かりやすく説明する力・人に伝える力が身に付く現場です。
Cさん
- 私はこの現場で「分かりやすい資料を作成し、第三者に分かりやすく説明すること」というスキルの大切さを痛感しています。これまで「第三者目線で仕事をすること」が足りていなかった自分に気付き、その大切さをひしひしと感じています。工事予定を立てるためには、現状や埋設物などの様々な情報が必要になるのですが、その情報をうまく資料にまとめる事が出来ず、工事関係者への説明が不十分になってしまったことがありました。そんな時は所長や先輩にアドバイスをいただいて資料の修正をしますが、丁寧に的確に教えていただけます。私には「腕の見せ所」と言えるものはまだないのですが、施工管理者としてのスキルを向上していけるように頑張りたいと思っています。
流通の大動脈を陰で支える
現代社会の流通において、欠かすことのできない高速道路。特に首都東京と新潟をつなぐ関越自動車道は、新潟県に暮らす人々にとって「流通の大動脈」とも言える重要な道路です。私たち本間組が担う補修工事は、決して目立つ工事ではなく、人知れず道路の下で行われていることも多いのですが、この「流通の大動脈を陰で支えている」という誇りを胸に、業務を遂行しています。補修工事中も流通の流れを止めることなく、安全に走行していただけるよう、今日も細心の注意を払って業務に当たります。
工事概要
工事名称 | 関越自動車道湯沢管内コンクリート構造物補修工事 |
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発注者 | 東日本高速道路株式会社 新潟支社・湯沢管理事務所 |
施工場所 | 群馬県利根郡みなかみ町小仁田(水上IC)~新潟県小千谷両新田(小千谷IC) |
工期 | 2023年5月19日~2026年4月2日 |
施工内容 | コンクリート構造物の補修及びはく落防止対策を行う工事 |