中継ポンプ船「越後9000」完成

2023年11月15日

株式会社本間組(社長:本間達郎)は、令和4年9月より建造を進めていた中継ポンプ船「越後9000」が完成し、令和5年11月6日に安全祈願祭および見学会を行いました。近年全国的に浚渫土砂を投入する海面土砂処分場が限られている状況を踏まえ、浚渫場所からの長距離排送の必要性が高まっていることから、今後の浚渫事業に貢献できるよう建造いたしました。中継ポンプ船はポンプ浚渫船から土砂処分場へ浚渫土砂をポンプ圧送する際、排送に用いられる排砂管の経路中に組み入れ、中継圧送することにより排送距離を伸ばし、安定的に土砂処分場への投入を可能とする作業船になります。「越後9000」は全長56m、全幅20m、排水トン数1,980t、出力9,000PS級のポンプを搭載しており、特長として運転作業中の余剰電力を充電し、夜間停泊時等に利用するための大型蓄電池(蓄電能力176kWh)を装備し、令和6年にはその大型蓄電池の補助として、夜間停泊時等のCO2排出ゼロを実現する水素を燃料とするFCモジュール(発電能力60kVA)を導入いたします。さらに作業船特有の排気装置からの低周波(振動・騒音)を除去する低周波除去装置付きサイレンサーを備え、脱炭素時代を迎え環境や地域の皆様に配慮した機能を持っております。

当社はこれまで数多くの作業船を有し、国内マリンコントラクターとしての一角を担い、全国各地で港湾整備等の海洋土木工事に携わってきました。我が国の港湾施設整備事業に対して、既存の作業船と共に貢献できるよう今後も取り組んで参ります。

▲中継ポンプ船「越後9000」

▲安全祈願祭

▲関係者へ挨拶する本間社長

本船の性能

1.船体 全長56m、幅20m、深さ4m、排水トン数は1,980tの規模で専用の中継ポンプ船としては大型
2.主機関 9,000PS(定格出力6,600kW、国際海事機関(IMO)のNOx(窒素酸化物)規制対応型)で中継ポンプを駆動
3.排水能力 清水時9,000m/h(細砂時7,000m/h)を有する
4.排送距離 7kmから16kmの長距離配送能力を持つ
5.環境対応設備 リチウムイオン蓄電 システム、水素燃料発電機、低周波除去装置付サイレンサー

仕様一覧

項  目 仕  様
1.船体主要寸法 全長 56.00m
長さ 49.80m
20.00m
深さ 4.00 m
喫水 2.00m
満載排水量 2,200t
  2.発電装置 主発電機 500kVA
可搬形発電機① 400kVA
可搬形発電機② 125kVA

3.主機関 型式12PC2-6V

定格出力 6,600kW
馬力 9,000PS
回転数 520rpm

4.中継ポンプ 型式KSP-850DH

回転数 355rpm
排送距離(細砂) 7.0km
排送距離(シルト) 16.0km
吸入管径 Φ915mm
吐出管径 Φ760mm
揚水量(清水時) 9,000m/h
揚水量( 細砂時) 7 ,000m/h
5.環境対応設備 リチウムイオン蓄電 システム 176k Wh
水素燃料発電機 60k W
低周波除去装置付きサイレンサー  

関連情報

中継ポンプ船の進水について(2023.6.5付)

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