HONMA STORY

HONMA STORY 日常生活を豊かにする

みなとまちの再生

本間組は海洋土木、陸上土木とともに、建築分野でも様々なプロジェクトに挑戦。

港の一つとして繁栄した「にいがた湊」の面影を今に伝える博物館や豪商の館など、専門知識と技術、深い研鑽を要する建設や修復を成し遂げました。

みなとぴあ

新潟のシンボルを造る

開港五港の中で唯一現存する運上所(税関)である旧新潟税関庁舎は、昭和44年(1969年)に国の文化財に指定された貴重な遺構です。しかし、新潟地震による被害を受け老朽化が進んでいました。

本間組は昭和45年(1970年)から2年をかけて解体修理を行いました。また、当時すでに取り壊され、設計図も記録も残っていない石庫(輸出入貨物保管庫)を、乏しい資料を手掛かりに復元。そのためには、愛知県の明治村を始め、県内外の歴史的建築物を調査、見学し、昔ながらの工法を習得する努力が必要でした。

同敷地内に、明治時代に竣工された二代目新潟市庁舎をモデルに、郷土歴史博物館「みなとぴあ」を建設。玄昌石と銅板葺きの屋根、御影石と特殊モルタルで仕上げた外壁など、経験のない材料の取り扱いやそれらを活かす納まり等に作業員や社員は一生懸命取り組みました。

そうした努力が結実し、平成16年(2004年)に、信濃川と調和した「みなとまち」を表現する歴史・文化ゾーンが誕生しました。

工事名
(当時)
郷土歴史博物館建設工事
工期 2001年9月28日~2004年1月31日
面積 敷地:17,870.99平方メートル
建築:2,155.33平方メートル
延床:5,498.37平方メートル
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造、地上4階

旧小澤家住宅

北前船の記憶を留める

小澤家は江戸時代後期から廻船や北前船で財を成した商家です。母屋や離れ座敷、家財蔵など7棟の建造物は、明治初期に建てられた町家の形を保ち、平成18年(2006年)に市の文化財に指定されました。

価値ある文化遺産を施設の公開も含めて積極的に活用するため、建物の修復や多機能トイレ・待合スペースの整備等の工事が発注され、本間組が受注しました。

建物を半解体して明治時代の姿に戻す建物修復、建物をジャッキアップして移設する曳家、既存樹木への影響を考慮し、ガラスカレットを使用した地盤改良工法の採用、耐震性や安全性向上のための構造補強等工事は多岐に渡りました。狭い敷地条件での特殊工事は、緻密な施工計画と確かな技術、関係業者のチームワークがあってこそ可能になるもの。また、屋敷の解体後の埋蔵文化財調査により木柵や石垣跡などが出土し、その度に工事が止まるので、進捗の遅れを取り戻すために現場員全員が知恵を出し合い一致団結して乗り切りました。

価値ある文化財を扱うため、古い建物を傷つけないように配慮しながら修復、曳家、改修の多岐に渡る工事を無事完成させました。

工事名
(当時)
旧小澤家住宅整備工事
工期 2008年7月1日~2010年12月15日
面積 敷地:1,638.30平方メートル
建築:655.58平方メートル
延床:866.93平方メートル
構造 木造2階建

みなとまちの文化を伝えていく

北前船の寄港地として、また、開港五港のひとつとして栄えた、みなとまち・新潟。そのイメージを象徴する文化遺産の保存に、本間組は建築の点で関わってきました。みなとぴあは展示の他、花見スポットとして、プロジェクションマッピングやコンサートなどのイベント会場として、また、レトロな建物群が写真映えすると、全国から観光客が訪れています。旧小澤家住宅でも、建物と庭園公開に加え、美術や工芸品の展示スぺ―スとして、お茶や酒を楽しむイベントの会場として広く活用されています。

みなとぴあと旧小澤家住宅の間の道路には、昭和30年代まで多くの舟が行き交っていた早川堀が復元され、新潟の下町(しもまち)の風情を体感しながら街歩きが楽しめるようになりました。かつての風情や賑わい、文化を今に伝え、地域の発展を担う企業として、本間組は歩み続けていきます。

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