技術者として常に挑戦する姿勢を忘れない
日本を代表するビッグプロジェクトに携わりたい
1998年入社
工学部 建築学科卒
現在、私は本間組が手掛ける「古町地区市街地再開発事業」の第二期工事にあたる既存隣接ビルの解体工事を担当しています。作業所長という立場で、現場の管理はもちろん、発注者や関係者との調整・協議など、幅広い業務を担当しています。また第一期工事で完成した「古町ルフル」のメンテナンス対応、現在の工事終了後に予定されている地下街接続工事・広場整備工事についての協議など、再開発事業全体に関わっています。
※古町地区再開発事業については特設ページが設けられていますのでぜひそちらもご覧ください。
父親が看板・サイン製作会社に勤務しており、ドラフターといわれる製図台で図面を作成する姿や、実際に手掛けた看板を前に、誇らしげに話をする姿を見て、漠然と、ものづくりに対する興味を持つようになりました。大学で建築について学ぶ中で将来の仕事として意識するようになり、一つの目標として「自分の家を自ら設計し、建てたい」という気持ちが芽生えました。そう考えたときに、住居のみならずスケール感の大きな建築物に携わることができ、さまざまな技術を得ることのできるゼネコンで働きたいと考えるようになりました。実際、自らの家を建てる際には自分で設計とまではいきませんでしたが、様々な要望を出し、納得のいく家に仕上がりました。
我々の仕事は衣食住の「住」に関わる部分ですので、人々が生活していく上で決して無くなることのない重要な役割を担っています。だからこそ大きなやりがいを感じるとともに責任も伴いますが、ものづくりが好きな人には向いている仕事だと思います。
私は第一期工事の「古町ルフル」建設からこの事業に携わっていますが、市街地での大規模再開発事業ということで、行政・インフラ事業者・交通事業者、近隣関係者など、協議に関わる機関・団体は約30社にのぼり、安全かつスムーズに工事を進めるためには事前の説明や調整がとても重要となります。関係者が納得するまで説明や協議を重ね、互いの意見を尊重しながら工事を進められるよう配慮しています。
現在は市街地での解体工事ということで細心の注意が求められています。解体したコンクリートのかけらが一つでも地上に落下するようなことがあれば大きな事故につながりかねません。落下防止柵を設置することはもちろん、現場に面した道路を一定距離で立ち入り禁止とし、万が一下に何か落ちても人はいないという2段構えの安全環境を整備しました。また今回の工事では、敷地条件の関係で解体に使用する重機を建物の屋上に配置し、上階から解体する必要がありました。しかし事前の調査で、重機や解体したコンクリート片の荷重に建物が耐えられないことが分かり、解体する前に補強する策をとりました。壊すのに補強するの?と不思議に思われるかもしれませんが、立地条件や建物の構造を正確に判断し、安全かつ効率的な方法を導き出すということも施工管理に求められる重要な役割です。また、作業所長という立場ですので職員が働きやすい環境づくりにも気を配っています。立場や年齢の違いはありますが、それぞれが考えていること、感じていることを発言しやすい雰囲気づくりを心掛けています。
現場では日々新たな課題や不測の場面に遭遇します。そんな時にどれだけ粘り強く、責任感を持って仕事に向き合えるかが大切だと考えています。建物の建設は、我々にとってはいくつか担当する現場のうちの一つであっても、お客様からすれば一世一代の大きな買い物です。自分が未熟だったということは言い訳になりません。より良いものをつくるために、困難な局面に遭遇しても最後まで責任感をもって誠実に向き合う、そんな思いで仕事に取り組んでいます。
やはりお客様に喜んでもらえることが一番の喜びです。27歳のころ、初めて一人で現場を担当しました。工場と事務所の建設でしたが、一人で安全、工程、品質、原価管理と現場作業指示を行い、さらに発注者及び設計事務所の対応もしなければいけない状況で、かなり苦労した思い出深い工事です。完成した際、発注者の方から「加納さんが担当だったから本当に良いものができたよ。ありがとう。」と声をかけていただき、それまでの苦労が吹き飛びました。
また、施工中にも達成感を感じる瞬間があります。工事が竣工に差し掛かると、建物の周囲を囲っていた足場やシートが一斉に撤去され建物全体が姿を現します。施工している我々にとっても初めてそこで全景を見るのですが、建設マン冥利に尽きる瞬間です。ぜひみなさんにも、あのなんとも形容しがたい、達成感、充実感を味わってほしいです。
建設業において、技術者としてここまで成長すれば十分というゴールはありません。常に挑戦し、新しい課題に向き合っていく姿勢を持ち続けていきたいです。私たちがつくるものに同じものは二つとありません。一見似ているように見えても工法やアプローチの仕方は幾通りも存在しますので、様々な条件を勘案し、適切な施工方法を導き出すことが私たちには求められます。これからも貪欲に技術を学び、知識を深め、いずれは日本を代表するようなビッグプロジェクトに携わりたいと考えています。
写真は古町ルフルのエントランスです。新潟の伝統工芸である「新潟漆器」があしらわれたユニークな仕上がりとなっており、私は大変気に入っています。
社会人になると職種や働き方にもよりますが、一般的には1日8時間、週40時間仕事をする生活になると思います。1日8時間という大きな時間を費やすことになりますので、単に生活のためにお金を得るという考えだけで取り組むことは非常にもったいないと思います。少しでも興味のある仕事について、自分なりのやりがいを見出してほしいです。そのためにも学生時代は見聞を広げ、将来に向けての可能性を模索する助走期間として、遊びに勉強に謳歌してほしいと思います。ちなみに私は、学生時代にさまざまな資格取得に励みました。不合格だったものもありますが、少しでも興味があることについては勉強して損はないと思います。現在の仕事に役立っていること、そうでないことなど様々ですが、何事にも取り組んでみるということが大切であり、思わぬところに将来へのきっかけが転がっているかもしれません。そんな中でスケールの大きなものづくり、建設業の仕事に少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。
休日はゴルフや釣りに出かけるのも好きですが、我が家の犬をかまって遊ぶのも楽しいです。